PMI日本支部セミナー:抵抗勢力との向き合い方〜働き方改革、業務改革を阻む最大の壁を乗り越える〜(2018/04/13)
PMI日本支部の2018年4月の月例セミナーの参加メモです。
概要は下記で、講師はケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズ株式会社の榊巻 亮さん。
総評
全般として通じるメッセージとしては、「推進側は自分達が正しい(≒官軍)だと思いがちだが、そうではなく抵抗する人にも理由があり、いかに協力体制を築くか」というものでした。
要旨は日経XTECHに記事になっています。
セミナーで面白かった点や気になった点など
- 変革を伴うプロジェクトは100%何らかの抵抗にあうものという前提に立つべき。
- 変革に必要なのは、企画の質と態勢の質だが、前者はみんな気にするが後者はあまり意識されない。その企画に関わる人達の気持ちが自分ゴトになっているか。→話を聞いていて、立ち上げ期の「変革チーム」で一体感を持つためには、インセプションデッキを作るのがよいのかなと。なぜ自分達がそれをやるのかの腹落ちを生みやすそう。インセプションデッキ事例 // Speaker Deck
- トップ層が「プロジェクトゴールを渡すけど、メンバーで本気で揉んだのならゴールは変わってもいいよ」が望ましい。
- 推進側は積極的にこれまでの経緯や背景・想いを共有する。密度が濃い推進メンバーは自分たちが知っているから「他の人も分かっている」と思いがちだが、経緯を知らない他メンバーは知らないことによる疎外感を感じる。「背景/経緯」はとても大事であり、なぜそうなったのかの意思決定のプロセスを明文化して推進チームのやってきたことを追体験できるようにする。
- あとから参加する関係者が感じることは、立ち上げ期にPJメンバーが抱えていた悩みと同じであり「検討の経緯を追体験してもらう」「根っこの考え方をきちんと説明する」そのため、立ち上げ期にしっかりモヤモヤしてきた経験がないと、何も伝わらない。
- 日経XTECHの記事にも書いてるが、相手の抵抗は問題点を書き出すことで見える化して、変革派vs抵抗派という対立構図から、変革派&抵抗派vs問題点という共通の敵を倒そうという構図に変えてしまう。
- 強い抵抗を受けるのは「目指す姿のズレ」と「進め方のズレ」がある。目指す姿がズレるのは、そもそもの現状の認識がズレていることが多い。見ているFACT、見ている範囲、見ている時間軸を一致させて話をする。進め方のズレは相手の言っている方法に手間がかからなさそうなら乗っかる。問題が起きたときに「だから言ったんだ」の防止。または相手に意見を出して貰う形で一緒に練り直す。
- 態勢の質を上げることが結果的に企画の質を高めることになる。指摘を取り込んでいくことでよりブラッシュアップさせられる。
- 他部門のメンバーと利害関係がある場合にどう巻き込むか。メリットを沢山言うのではなく、「デメリットはないよ」を上手く伝える。行動経済学のプロスペクト理論:同じ絶対値のメリットとデメリットの場合、デメリットを重く見る。デメリット2種類ある。「変化することによるデメリット」「変化しないことによるデメリット」